グランドサークル 4/5

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朝起きて外を見るとなかなかの荒野感.昨日は暗くて気が付かなかったがこの宿も周りに何もなさそうな所に建っているのが良く分かる.

朝ご飯は昨晩と同じ宿のレストランしか選択肢がないが,その前に併設してあるお土産コーナーを物色.結構広くて色々あるんだが,サボテンのジャムとかアリゾナっぽい.乾燥しきって骸骨になってる絵葉書もウケる(笑)

朝ご飯はメニューを見るとさっき見たばっかりのサボテンジャムを使ったフレンチトーストがあったので「これは試すべきだな」と即決.それに昨日美味しかった揚げパンNavajo Fly Breadを頼む.サボテンジャムは思ったより甘さ控えめで,激しい色のわりにはあまり特徴のない味.「これがサボテンの味か!」という感じではなく「うん?どれがサボテン?」といまいち印象が薄い.その点,揚げパンは安定の美味しさだ.

お土産屋には小さな食料品売り場もあるのでそこで飲み物を補充し,宿をチェックアウトして出発!

今日の予定はセドナ観光.という事でひたすら南下する.

ルート66という良く聞く道路がここら辺を走っている事は何となく知っていたのでちょっと調べてみると,昔は大陸横断道路だったルート66は既に廃線になってしまっていた.しかし歴史的街道という位置付けで部分的に残っている所もあり,行きも通ったFlagstaffでちょうどセドナ行きのルートと交差していたので話のネタにと脇道にそれてみる.ルート66といえばだだっ広い砂漠や荒野を貫く真っすぐな長い道を想像していたが,ここら辺は木々に挟まれたわりと緑が多い小さな道だった.しかし66の看板やその看板を掲げた店もあって「ルート66を走ったぞ!」という目的は達成.このまま走り続けるとラスベガスの方に行っちゃうので早々と切り上げてUターン.

元の道に戻ると,しばらくしてとんでもない土砂降りに遭遇して心が折れかける.

雨がやんだ後は山肌を縫うようなアップダウンの激しい曲がり道で,再び心が折れかける.

そしてキャメロンを出てから2時間半でやっとセドナに到着.

たいした運転時間じゃないのに大雨や曲がりくねった道のせいでだいぶ疲れる運転だった.

セドナは路駐出来る所が少なく,駐車場を探さなきゃ行けないので車を停めるのがちょっと大変.

車を停めた後はまず昼ご飯.目についたWildflower Bread CompanyというPanera Bread的なお店に入ってサンドイッチ.久しぶりにちょっと都会の雰囲気を味わった気がする.

しかし街並みが綺麗だし店も多い.今までの大自然の中の観光スポットから整備された観光都市に来たって感じだ.緑も多くなって雰囲気もひと味違う.

さて時計は既に14時を回ってしまった.早く観光しないと日が暮れてしまう.セドナと言えばボルテックスと呼ばれるパワースポットがメインだが,その中でも4大ボルテックスと呼ばれるトップ4の1つベル・ロックへと向かう.

南のはずれにあるベル・ロックはちょっと離れた駐車場からトレイルを歩いて楽しむようになっている.でも時間もあまりないし子供も飽きちゃうだろうから適当な所で早目に引き返す.初めて近くで目にしたボルテックスだが,純真な心を持ってないせいか全く大地のエネルギーを感じる事ができない(笑).しかし特徴的な形はまるで土偶みたいで印象的.

少し高台になっているのか見晴らしもいいなぁ〜.

次の4大ボルテックスはカセドラル・ロック.カセドラル・ロックが良く見えるというレッド・ロック州立公園へと向かう.駐車場に着くと「あと1時間しかないけどいい?」と聞かれたので「カセドラル・ロックが見たいだけだから大丈夫」と答える.すると「カセドラル・ロックはトレイルをしばらく歩かないと見れないから1時間で行って帰って来るのは無理だよ」と.なんとそうなのか….

「ここの東にあるクレセント・ムーン・ランチへ行けばすぐ見えるよ」という事なので急いで走ること10分.小さな公園の様な場所に着いた.

駐車場を降りるとすぐにカセドラル・ロックが見えて一安心.もうちょっといい眺めがないかな〜と歩いて行くと,オーク・クリークという小川に出くわした.楽しそうに水遊びしてる人がたくさんだ.しかしカセドラル・ロックの見え方は今一歩かな.

結局レッド・ロック州立公園からクレセント・ムーン・ランチへ向かう途中に見た景色が一番カセドラル・ロックが綺麗に見えたので,戻って道端に車を停めて撮影大会.うん,やっぱりここが一番かな.

そこから大通りへと戻る時に5分走った所にも小さなView Spotがあったので軽く立ち寄ってみる.ちょっとしか離れてないのにカセドラル・ロックがだいぶ遠いなぁ.

そして3つめの4大ボルテックス,ボイントン・キャニオンを目指す.しかしここはなかなかの難所だった.道も分かりにくいしお目当てのボイントン・キャニオンもどれだか分かり辛い.最初,大きな岩山が見えていたので「こいつがボイントン・キャニオンかな?」と思っていたけど,走るにつれて少しずつ遠ざかってしまう.後で調べてみるとこれはキャピトル・ビュートという別の岩山だった.

その後は思ったよりも遠い道のりを「まだ着かないのかな??」と少し不安になりながら進む.するとしばらくしてゲートが現れ「なんだこれは?」と思いながらも袋小路なので逃げられずに進むとやはり「やぁ,何しに来たの?」と.「いや,ボイントン・キャニオンに…」と答えると「それは通り過ぎてるよ」と.どうやらここはEnchantment Resortという高級ホテルの入口らしい.場違い感を全身で感じながら来た道を戻る.

するとほんの1,2分戻った所で駐車場の看板を発見.どうやら行きに見落としていたみたいだ.やっとたどり着いたボイントン・キャニオンはなかなかの大物.今までの2つと比べるとどっしりしている.良く見ると岩山の上に蟻のように人が群がっているがトレイルを歩いて行ったのかな?

さて気が付くともう18時.急いで4大ボルテックス最後の1つ,エアポート・メサを目指す.

15分で着いたエアポート・メサは小さな丘のようになっていて簡単に上まで登れる.

頂上からはセドナの街が一望できていい眺め.いや〜,エネルギーは全く感じれてないけど4大ボルテックスを制覇した達成感に満足!

観光が一息ついた所でホテルへ向かい,チェックイン.今夜のお宿はCedars Resortで,The Yと呼ばれるセドナ中心のY字路にある.1泊$147と少々お高めだが部屋からはセドナっぽい岩山が見えてなかなかいい感じ.もちろん部屋の中も綺麗だ.

市街地のアップタウン・セドナはホテルから近いので,歩いてお散歩.

折角なのでパワーストーンを買ってみる.直感を鋭くするChalcedony(玉髄)に慈悲のMorganite(モルガナイト),それに優しい愛のRose Quartz(紅石英)を購入.どれか効果あるかな??(笑)

街中には俳優達の手型や足型(靴型?)のモニュメントがあってちっちゃいハリウッドみたいだ.正直誰も知らないんだけど,セドナ関係の映画に出演していた人達なのかな?

そして晩ご飯.サボテンのフライやガラガラヘビのソーセージが入った荒野感満載の前菜の盛り合わせにヘラジカのチョップステーキと珍しい物のオンパレードでちょっとテンションが上がる.しかし何より,久しぶりにビールが飲めて幸せ〜.

食後にアイスまで食べてしまって満腹過ぎるぜ.

さあ,少し寂しいがグランドサークルの旅は今日で実質終了だ.明日は帰るだけなので,今夜はノンビリと休もう.