古城に泊まりたかった

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目が覚める,というかスチュワーデスさんに朝御飯だと起こされる.今3時ということは,昨日寝たのが8時だから…,って7時間も寝ていたのか!?飛行機でこんなに爆睡したのは初めてだ.英樹に聞くと英樹がトイレに行くときも熟睡していて,起きる気配が全くなかったらしい.自分で言うのもなんだが,私は比較的こういうところでは深く眠れず,ちょっとしたことですぐ目を覚ますタイプだ.そんな私を 7 時間も黄泉の世界に封印してしまうとは,ビジネスすごし.

そしてまた,豪勢な食事が運ばれてくる.マレーシア料理っぽいのをCHOICEしたら,とても辛かった.食後はSUPER NINTENDOで遊ぶ.HAGANEというゲームがなかなか面白く,それに熱中しているといつの間にか到着時間になってしまった.

ほぼ予定通りにドイツのミュンヘン空港に到着する.周りを見渡すと意外に東洋人が少ないようだ.確かにあの待ち時間じゃ,日本人はほとんど利用しないだろう.荷物の受け取りは意外とスムーズにすみ,思ったより早く空港を出ることができた.

現在時刻は6:30.早速Sバーン(近郊電車)の切符を買って中央駅へ向かおうとするが,どの切符を買ったらいいのかよく分からない.まごまごしていると通りすがりの日本人(ドイツ在住?)がわざわざ声をかけてくれた.その結果ドイツの鉄道は結構高いということで,イタリアで使う予定だったユーロパスの1日分を今日使ってしまうことにする.どっちみち今日は少し遠出をする予定なので,大きく損をすることはないだろう.しかしユーロパスは一番最初に使うときに日付を刻印してもらわなければならない.ところが刻印してくれるインフォメーション・センターが開いてないので,そこが開く7時まで待つことに….

今日の予定は鉄道で2時間かかるフュッセンに行って,ノイシュヴァンシュタイン城を見てくることだ.しかし,今日の宿を確保しないことには1日が始まらない.英樹が古城に泊まれるユースホステルがあると言うので,まずはSバーンでそこへ向かう.

ユースのある駅が近づき,それと共に都心が近くなって来ているのだが,電車から見えるのは相変わらず一面の田園風景.ちょっと不安を覚えながらも古城のある駅へ到着.そこはとてものどかな片田舎といった雰囲気で,まるで間違ってスイスにでも来てしまったみたいだ.駅から10分ほど歩くと古城に到着.城は思ったより大きく,入り口の周りにはいろいろな国の学生らしき旅行客がいっぱいいる.早速予約すると残念ながらTWINの部屋は空いてない.しょうがないのでドミトリーで我慢することにした.16~19時の間にチェックインしてくれと言われたので荷物だけを置いてフュッセンへ行くことにする.ただ荷物置き場はなんの変哲もないただの部屋で,誰でも自由に入れるのがちょっと心配だ.

フュッセンに行くためには中央駅から,RE(地域快速)に乗り換えなければならない.そこでSバーンに乗って中央駅へ向かうが20分ぐらい行った所で,重大な過ちに気付いた.ノイシュヴァンシュタイン城の観賞時間や行き帰りの電車にかかる時間を計算すると,どう考えても7時に帰ってくることは不可能なのだ.これは大変ととって返し,予約をキャンセルして荷物を持ったまま再びSバーンに乗り込む.このロスのためにもうミュンヘンでホテルを取っている時間はなく,結局荷物を持ったままフュッセンへ行く羽目になってしまった.

電車の中では大爆睡.当然のことながらほとんど記憶なし.いい気持ちで寝ていたのに,あまりの臭さに目を覚ます.牧場,というか牛のにおいだ.つまりフュッセンは牧草地に囲まれた緑豊かな土地なのだ.駅に着くと,荷物預かり所は見当たらないがコインロッカーはある.「地球の歩き方」 に書いてあることと正反対だ.まったく使えない(ちなみに私は「個人旅行」派である).

駅から城まではバスを使って行くのだが,荷物を預けるのに手間取っていたらバスを乗り過ごした.しかもこのバスは電車と連絡を取っているらしく1時間に1本しかない.そこでドイツに来て初めての食事をとることにした.安直な考えだが,ドイツと言えばやっぱりソーセージだろう.という事でファーストフードっぽい感じの店でソーセージを買う.日本でよく見るものと違い,皮がしっかりしていて結構いける.ただこっちではあまりケチャップをつけないらしい.マスタードしかつけるか聞かれなかったので,ケチャップもつけてくれと言ったらちょっと変な顔をされてしまった.

バスに乗ると10分ちょっとで到着.といってもここから坂道を20〜30分歩いて上らなければノイシュヴァンシュタイン城へは辿り着かない.必死に歩いていると,なんとベンツのトラック発見.さすがドイツ.よく見ると走っている車もベンツやBMWが非常に多い.乗ってきたバスすらベンツだ.

しかし今はそんなことよりも馬車で坂道を上っているブルジョワ達がうらやましい.頂上までは結構遠く,馬糞も臭く大変だった.城に着くと入場者の列は言語別に5列で分類され,それぞれの待ち時間は60分.しかしラッキーなことに30分ぐらいで入ることができた.

中に入ると日本語の説明が流れるがちょっと怪しい.ネイティブだかそうでないかも分からないような微妙な日本語だ.内装はこれぞ城といった感じで,どちらかといえばシンプルな美しさを持つ外観とは対照的にとても豪華.しかし歴史を感じさせる落ち着いた雰囲気を持ち,いやらしい感じはしない.ただ2/3が未完成というだけあって,ボリューム的には食い足りない.

帰りにもう 1 つの城,ホーエンシュヴァンガウ城へ行く.こちらは黄色くキュートなお城だが,中身は結構派手.といっても装飾が派手なのではなく,展示してあるものが派手だった.おねーさんが一生懸命説明してくれるがあいにくドイツ語で,さっぱり分からない.しかもホーエンシュヴァンガウ城は,ノイシュヴァンシュタイン城よりさらに小さく,すぐ見終わってしまった.2つともなかなかいい城だったが,ともに小さかったのが残念だ.

フュッセン駅に戻ってくるが,少しのどが渇いた.それに次の電車までは時間があるので何か飲むことに.安直な考えだが,ドイツと言えばやっぱりビールだろう.という事で,ビールを飲む.初めて飲むドイツのビールはちょっと苦味が強くて飲みにくい.だが,まじりっけのない純粋な感じがする.

そして電車に乗るが,帰りも2時間爆睡してミュンヘンに戻ってくる.さてと,もう9時を過ぎているがホテルを探さなくてはならない.ガイドブックを頼りに中央駅近くのユースホステルに行ってみる.お値段はお手頃だし,部屋もきれい.共同のシャワーとトイレも清潔なので,ここに決定.

出入り口は24時間開きっ放しということなので,早速2つ隣りの駅まで晩御飯を食べに行く.もちろんソーセージとビールでしょ.ソーセージはジャーマンポテトを添えて1/2mもあるものが渦を巻いて出てくる.ソーセージはおいしかったけどポテトは酸っぱくてちょっと苦手.ビールは昼に飲んだものよりも苦味が弱く,少し甘い.こちらの方が飲みやすいが,昼の方がしっかりした味があって好きだった.