ペーター教会にもエレベーターを
8時ぐらいに起きる.実は昨日泊まった部屋は3人部屋だったので,今日の10時に2人部屋にチェックインし直して欲しいと言われていた.しかし10時まで時間を潰すのがもったいないので聞いてみると,9時にもうチェックインし直すことができた.
宿を出て近くのカフェで朝食を食べるが,もちろんソーセージ.今度は茹でた白ソーセージを注文するが,ずいぶん大きいのが出てきてちょっとびっくり.周りを見ると,ほとんどのドイツ人らしきお客は朝からビールを飲んでるし,がっつり食べる国なのだろう,ってそれはちょっと違うか?まあ,おいしいソーセージだったからよしとしよう.
どこの国でも電車の一日券というのはあるけれど,ここミュンヘンのは少し変わっていてペアで使うものもある.つまり2人でワンチケットなのだ.その一日乗り放題券を買って,昨日晩御飯を食べにきた2つ隣りの駅まで,今度は新市庁舎を見に行く.
新市庁舎には仕掛け時計があるのだが,近くにある聖ペーター教会の塔に上るとよく見えるとのこと.そこでペーター教会の中に入るとお祈りの真っ最中で,ここから塔に上るとかいう雰囲気じゃない.??と思ったがいつづける雰囲気でもないので中を通り抜けて外に出ると,そこに上への階段があった.これは分かりづらい.
しかし急いで上らないと,あと5分くらいで時計が動き始めてしまう.ひーこら言いながら塔を上るがなかなかつかない.それもそのはず,帰りに階段を数えてみると300段はあったのだから….思いっきり急いだので,時間にはギリギリセーフ.英樹はあんまり息を切らしているもんだから,先客に笑われてる.無駄にでかい荷物なんか持っているからだ.
頂上は300段だけあって,かなり高い.しかし高すぎて肝心のカラクリ時計まで遠くに感じてしまうぞ?そしていよいよ時間になり,感動の仕掛けが…となるはずが,苦労した割にはあまりたいした事がない.ぶっちゃけた話,人形が回ってるだけだ.ちょっとさみしい.疲れたので頂上で一休みしていると,壁に残された落書きに早稲田の学生を発見.まったくマナーが悪いと思いながらも自分の名を残して去る.
今度は市庁舎そのものへ向かう.しかしここはいい.なぜって頂上までエレベータで登れるのだ.頂上から外を眺めるが,ペーターとさして変わらず.まあこの距離じゃあたりまえか.そういえば昨日も思ったのだが,ドイツの家はオレンジの屋根が以上に多い.こういう高いところに上ると,一面オレンジ色だ.法律で決まっていたりするのだろうか?
そして次に,また新市庁舎の近くにある,聖母教会へと向かう.この教会はゴシック様式には珍しく尖塔がなく,塔は丸屋根になっている.いうなれば塔の頂上にカボチャがのっかてる感じだ.まずはそのカボチャタワーから攻めるが,これも途中からエレベーターで上ることができる.やはり時代はエレベーターだ.しかし聖母教会はタワーよりも中のほうが印象深い.全体的に白い内装の教会は,普通の教会に比べて明るい感じがする.ちょっと不思議なムンクっぽいキリストもいるし,ステンドグラスも独特でゴシック特有の縦長ではない.教会の中では変り種といった感じで,たまにはこういうのもいい.
それから英樹がケーキを食べたいと言うので,近くで一休み.あいにく私はお腹がすいていないのでコーヒーだけだが,気分をリフレッシュ.そして次なる目標はレジデンツ宮殿.ここは他と比べて入場が高いと思ったけれども,予想外に見ごたえがある,お値段なりの中身を提供してくれた.中は大きく宝物館を見て回るだけでも時間がかかるし,置いてあるものもなかなかいい.本館もレベルが高く,展示してあるものならどこぞの城よりランクは上だ.やはり観光とはこうありたいものだ.
その満足な思いを胸に,ニンフェンブルク城へと足を伸ばす.移動には市電を使ってみたのだが,途中で降りる駅を間違えた.どうしてこんな何にもないところで降りてしまったのか….まあ一日券のおかげで市電も使い放題なので良かった.お腹が少し減ったので,次の電車がくる前に近くの店でクッキーをかって食べる.別にクッキーじゃなくても良かったのだけど,他に店がなかっただけ.
その後,無事城に着くがなかなかいい感じ.ただレジデンツ宮殿で予想外に時間を食ってしまったので,ちょっと時間がない.馬車博物館と陶器博物館はチケットが買えず,本棟と庭園のみしか見ることができない.残念だ.本棟では美人画ギャラリーを見るが,よくもまあ,こういうものだけ集めたものだ.しかしここの見所はやはり庭園だろう.とてものどかな感じでヴェルサイユ宮殿の庭園よりもずっといい.森のように広く,端まで行って帰ってくるだけども一仕事だ.人もあまり多くなく,歩いているだけで心が癒される.一番のポイントはふんだんに使われた水で,真中を走る水路を水鳥が飛び立つ姿などは,感動ものである.きちんと整備されているのに人工感が高いわけでなく,自然な感じのする調和の取れたいい庭園だった.
その後いったん中央駅まで戻り,Sバーンに乗ってシュライスハイム城に向かった.時間的には厳しいが,せっかくだから行ってみようということだ.あまり深く考えずに最寄駅で降りるが,駅の周りは人気がないし,どう見てもただの住宅街にしか見えない.城への地図もないしガイドブックにも細かい行き方が載っていない.どうしたものかと思っていると,小さな看板がある.不安になりながらもその看板を頼りに進むが,やっぱりどう見てもただの住宅街だ.しばらく歩くとなぜかひょっこり城が現れたが,ここも人気なし.もちろん建物には入れないし,せめて庭でもと思ったがそれも警備員に止められる.ちょっとむなしい.
戻ってきて晩御飯にする.レストランに行って席に案内されるのを待つが,なかなか店員がこない.ガイドブックには案内されるのを待つこととかいてあったが,昨日もそんな感じだった.どうやらドイツは勝手に席に座ってよさそうな感じだ.席に座って頼むのはもちろんビール.メインにはカツを試してみる.ビールはこれまでで一番日本のやつに近く,昨日の晩に飲んだビールから苦味を取った感じだ.カツはまた酸っぱいイモと出てきたが,カツ自体は日本の薄いカツとほとんど一緒.ただソースをかけないので少し物足りない味だ.つらかったのはデザートで,メニューが良く分からないので適当に頼むと,出てきたのはただの砂糖かけたパンにバニラソースを添えたもの.はっきりいって菓子パンを食べてるのと変わらない.
全部食べたら苦しくなって,オリンピック公園に行くつもりだったのにやめてしまった.それよりも気になったのは隣りの席で食事をしていた紳士.ビールを1リットルも注文していたのだが,苦しそうに飲んでいた.結局飲み干していたが,そんなに苦しいなら最初っから小さいの頼めばいいのに….帰ってきたら疲れて,すぐに寝てしまった.
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