パリはよく並ばされるな

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朝起きるとまっちゃんが死んでる.どうやら風邪をひいたらしい.そういえば,昨日エッフェル塔にいたときから少し調子が悪そうだった.少し部屋で寝ているというので非情にもまっちゃんをおいて英樹と出かける.

ホテルのすぐ脇のカフェで朝食を取り,英樹が手紙を出したいというので郵便局へ.ついでに俺も大沢になんか送ってやろうと途中の店で絵葉書を探す.すごくいいものを発見.むきむきマンがさわやかな笑顔をしているのだが,身につけているのはフランス国旗カラーのパンツだけ.これは送られてきたら相当恥ずかしい.ということで購入決定.が,ここで言葉のトラブル.なんと数字すら通じない.小さい店だったのがわざわいして結局指の数で購入.英語が母国語でない国は初めてだが,こんなにも恐ろしいとは….


ルーブル美術館に向かうも,あまりにも長蛇の列のためサクっとあきらめる.継ぎはぎのあるサン・ジャック塔を見てからシテ島に行く.パリの中心といわれるだけのことはあって,見所も多々.まずはマリーアントワネット最後の 2 ヶ月を記憶するコンシェルジェリー .刺々しい外観も冷たさをかもし出すが,再現された独房のあまりにものプライバシーの無さに驚く.とても王族の部屋ではない.しかし隣のサント・シャペルは対照的に華やか.2 階は壁の代わりにステンドグラスがあるかのように,どこを見ても全てステンドグラスで圧倒されてしまう.ここまで凄いステンドグラスは初めて見た.ただ,入るために1時間も待たされたのが腹立たしい.


英樹が食べようといった有名なアイス屋でマンゴーアイスを買ってノートル・ダム寺院へ.フランス・カトリックの総本山だが,あまり外見は好きじゃない.部品はいいと思うのだが,調和が取れていない.いろいろとつけすぎだ.中はそれなりでバラ窓も綺麗だが,宝物展がしょぼい.取り敢えずロウソクに火をともしノストラダムスの予言があたらないことを祈る.しかし悲劇のヒロイン,ジャンヌ・ダルクの名誉回復審判が行われた所であるから,何かを買わずにはいられない.ということでクリスチャン気分になれる十字架を購入.ここも上に上れるのだが,並んでいる人の列が流れている気配を見せない.時間も惜しいので諦める事に….

ソルボンヌの近くで遅目の昼食をとりパンテオンへと向かう.ここの絵画は少し幻想的なものもあって私的評価が高い.お気に入りの仲間入りである.自然とロウソクに込める願いにも力が入る.これまたドームにのぼれるらしいが修理中らしくあえなく断念.地下墓地もあり有名人が多いのだがキュリー婦人とルソーぐらいしか知っている人がいなかった.


その後悪名高きモンパルナス・タワーを目指す.少し遠くの駅で降り大通りを歩きながら近づくが,確かにこの近代的ビルはパリに合わない.途中の怪しい露店で,以前から欲しかった形のサングラスを発見.F25と安かったこともありつい買ってしまう.モンパルナス・タワーに着くとエレベーターでてっぺんまで上る.そこでトイレに行ったのだが,ここで噂の「便所おばさん」なるものに初めて遭遇.便所おばさんとは公衆トイレの入り口に陣取って,使用料を取る恐いおばさんだ.あまりにも突然のことで戸惑うが,小銭を持っていたことをジャンヌ・ダルクに感謝.屋上に出ると眺めは絶景かな,下にうつるビル自体の影もかっこいい.パリの全景を眺めながら次の目的地を決める.

パリの顔の一つである,モンマルトルで今日を締めくくることに決定.メトロでPigalle駅まで行き,Anvers駅まで歩く.ケーブルカーで丘を一気にあがり,頂上にそびえるサクレ・クール寺院でまたもやロウソクに明かりをともす.外はいいかげん薄暗くなってきたが,丘にはたくさんの人がいる.しかもみんなテンションが高く,歌まで歌い始めた.しかし頂上からの眺めはよく,まるで山にでも登ったかのようだ.パリを外から眺めているようで,今までとは一味違う.

夜も遅くなってきたので,サンドウィッチを食べながら帰る.明日はヴェルサイユ宮殿に行く予定なのだが,英樹のガイドブックによると御飯を食べる所があまりないらしい.そこで明日の昼食用にもサンドウィッチを買っておくことにする.帰ってくると,まっちゃんの症状が悪化している.明日は大丈夫だろうか?