サウザンド諸島のクルーズは10時発なので,逆算して7時に起きる.しかし昨晩は隣りの部屋が五月蝿かった….おばちゃんの集団が外で夜中までずーっとしゃべってて,壁が薄いのでその声が丸聞こえ.おかげで全然寝れなかった.
朝ご飯はホテル代に込み.だが良くあるワッフルマシーンもなく買ってきたパンとマフィンが置いてあるだけ.ちょっと寂しい朝食だ.場所も民家の台所のようだし,コーヒーを飲んで心を癒すしかない.
そして今回のハイライト,サウザンド諸島クルーズへと出発.船が出航する港へはモーテルから車でたったの5分.まずはチケットオフィスでチケットを購入する.クルーズ中,車はここの駐車場に停めておく事になるのでチケットと一緒にもらった駐車券を忘れずにダッシュボードに置いておく必要がある.
あとは出航時間まで時間潰し.チケットカウンターの横にはどこから来たかをピンで刺す世界地図があるがNYは近い事もあってハリネズミ状態(笑).それでも無理矢理ロングアイランドに1本刺すけどね.そしてチケットオフィスの隣りはお土産物屋.一番のお土産と言えばここサウザンド諸島で発明されたという,その名もサウザンド・アイランド・ドレッシング!これは買って帰ろう.
気が付けばいつの間にか出航の15分前.既にクルーズ船も到着しているし気の早い乗客が待ち行列を作り始めている.
行列に並ぶと間もなく乗船も始まり,乗り込んだ後は早速船内を探索する.そんなに込んでいないので席数は十分.中の方が寒くなさそうだが,やっぱり屋上の方が眺めがいい.
という事で屋上に陣取りガナノークを出港.ただ天気があまり良くないので寒くなったら中に入ろう.しかし良く見ると周りには同じようなクルーズ船がチラホラ見えるなー.
サウザンド諸島はその名の通り1000を越える島々からなる.特に家1軒建てるのがギリギリの大きさな島がたくさんある.出港して5分もすると早速第一の小島を発見!!うわー,ちっちぇー(笑)
ちなみにサウザンド諸島の島の1つとして正式にカウントされるには1ft2(0.093m2)の土地と2本の木が必要らしい.
Thousand IslandsTo count as one of the Thousand Islands, emergent land within the river channel must have at least one square foot (0.093 m2) of land above water level year-round, and support at least two living trees.
その後は続々と島々が登場.まさに家1軒がギリギリの小さい島から,家族が遊んでいたり複数の家が建ち並ぶ大きな物まで大きさは様々.
中には橋で小さな島同士がつながっている物や,灯台がある島まである.こんなにあるなら1つぐらい貰えないもんだろうか.
ガナノークを出港して1時間程で橋が見えてきた.これは昨日渡ってきた1000 Islands Bridgeだね.ただ大きいのでアメリカ・カナダの国境の部分ではなく,アメリカのCollins LandingからWellesley Islandへ渡る橋かな.
気が付けば天気が良くなってきたが,まだまだ島は続く.しかしクルーズだと近くの島を同じ高さから見る事しか出来ないから,ポスターで見たようなたくさんの小さい島を上から見下ろすような風景は見れないよね.考えれば当たり前なんだけど.ああいう風景はセスナとかヘリコプターをチャーターしないと見れないのかな?
少々島も見飽きてきたと思い始めた所でサウザンド諸島のメインとでも言うべきボルト城が見えてきた.
ボルト城が建つハート島はアメリカ領なので,カナダ発のクルーズで来て上陸するには再びアメリカへの入国審査を受けなきゃいけないとちょっと面倒くさい.しかも税関が掘建て小屋並に小さいので時間もかかるんだよね….
税関を抜けた後は早速ボルト城へ!と行きたい所だが時は既にランチタイム.中に入ってしまうと食べ物は売ってないだろうから,まずは船着き場で昼ご飯にする.といってもあるのはホットドッグスタンドのゴージャス版程度の店が1軒だけ.パサパサのハンバーガーとミートボール・サンドウィッチを手早く流し込み,ボルト城へと急ぐ.なにせハート島での停泊時間は2時間しかないからね.
まずは入口で入場料のお支払い.$8.50を払って手にスタンプを押されるが,ここまで来て中に入らないヤツもいないだろうしあまり意味のないスタンプだな….
中に入り,綺麗に整備された庭を通って城を目指す.このハート島はボルトさんが奥さんの為に島中ハートだらけにしたって言うので有名なんだが,早速植え込みや案内板の矢印がハートでお出迎えだ.といっても少なくとも案内板はボルトさんが考えたものじゃないだろうけど.
城に入るとまずはホール.するとタンスもランプのスタンドもこれまたハート模様だ.
城内は3F建てと結構広く「これは城っポイな」と思わせる部屋の数々でなかなかいい雰囲気.
しかし装飾は至る所にハートが埋め込まれている.中には「ハートと言われればハートな気もするが…」とちょっと微妙な物もあるが隠れミッキー探し状態でわりと面白い(笑)
ただボルト城は完成目前に奥さんが急死してしまった為に,失意のボルトさんが建築を中止した未完の建物なのである.なもんで一部は漆喰やレンガがむき出しのままになっている.
こちらが噂のボルト夫妻.撮った時期が違うだけかもしれないけど,随分年の差がありそう.
一通り城内を堪能した後は庭というか島を散歩する.天気も良いし芝生も青いし水も多いしとても綺麗.かなり癒される.
もちろんこのハート島の近くにも小さな島がある.こいつなら泳いで渡れそうだ(笑)
ハート島の水辺に建つPower Houseも小さい城みたいでかっちょいー.
島を一周した所で程よい時間となり,カルガモの親子を眺めてアイスを食べながら船へと戻る.
ハート島を後にすると船は帰路に着く.しかし小島もだいぶ見飽きてきたのでほとんどを船内でまったりと過ごす.
出航から5時間,無事ガナノークへ戻ってきた.航路を見るとWellesley IslandとHill Islandをぐるっと回ってきたような感じだね.
しかし息つく暇もなくフィンガーレイクスに向けて出発である.行きはフリーウェイを通ってきたがモーテルの人が「Thousands Islands Parkwayの方が川沿いを走るので景色が良い」と言うのでParkway経由で1000 Islands Bridgeを目指す.だが木々に囲まれた道からはたいしてセントローレンス川が見える事もなく….
深く気にするのはやめて1000 Islands Bridgeをアメリカに向けて渡り始める.
フィンガーレイクスまでは直行しようと思っていたんだが,カナダ側最後の島Hill Islandに渡った時に来る時も気になっていた塔が目についた.「どーしよっかなぁ…」と悩みながら一度は通り過ぎたものの「今行かないと二度と行かないだろうし,やっぱ上っとくか!」と引き返して寄って行くコトにする.
結論から言うと寄って正解.つーか寄るの必須ポイントだ.たいした高さじゃないと思っていたが上ってみるとそれなりにサウザンド諸島を見下ろす感じで,小さい島々があるのが分かる見晴らし.もともと気になっていたサウザンド諸島の観光ポスターに今回の旅行で一番近い眺めだった.
遠くにクルーズ船が見える.もっと遠くから来たツアーなのかな?しかしクルーズ中はあんま気付かなかったが本当に一面,緑なんだなー.
ちなみにタワー根元のお土産屋には不気味すぎるキャラクター像が….しかも大きい….
1000 Islands Towerを後にし,国境を渡ってアメリカ側の税関を通る.ここでパスポートを渡しカナダに滞在した期間や目的を聞かれるが「たったの1泊?友達にでも会ってきたのか?誰かから荷物でも預かってきたの?」と不穏な流れ.結局「車をあそこで停めて,あっちの建物行って」と要チェック行き….マヂですか(泣).前回のナイアガラに続き,どうも陸路のカナダ国境は相性が悪い.
言われた通りにゲート横の建物に行くと「座って待ってて」と言われたので座って待っていたが,その後は放置状態.他に人もいないし職員も忙しくなさそうで「なんだろう…」と思いながら待つコト10分,呼ばれると「はい,帰って良いよ」とパスポートを返される.え??何??何の為にここに来させられたんだ??と釈然としないまま車に戻って出発したが,後で考えてみると待たされている間に車の中でも調べられていたのかな?車の鍵も預けていたし.薬の運び屋と疑われたのかとも思ったが,たぶん暇だったんだろうな.他に通る人全然いなかったし.
気を取り直して行きに走ってきたI-81を逆に南下する.車が少ないし制限速度も過去最高の75mph(120km/h)と自然とアクセルを踏む足にも力が入る.+10mphまでは出しても捕まらないというのが都市伝説だが,気が付くと90mph(145km/h)を超えている事も.「お〜,人生最速での運転かもしれん」とのんきに走っていると突然後方からけたたましいサイレンが聞こえてきた.ここしばらく俺よりスピード出してる車を見なかったので「これはご臨終か…(泣)」と覚悟を決めて右車線に移動すると,後ろからぶっ飛ばしてきたパトカーはそのままうちの車を追い越していく….良く分からんがセーフ!!
その後は心を入れ替え安全運転でフィンガーレイクスを目指し,国境を越えてから2時間程で今夜の宿に到着.
ただまだ18時半と空も明るいので,チェックインはせずにそのままフィンガーレイクスの1つSeneca Lakeまで足を伸ばす.しかし湖自体はこれと言って特筆すべき場所ではなかった….
ホテルに戻りチェックイン.今宵の宿はSeneca FallsにあるThe Gould Hotel.1晩$150越えと昨日の倍以上するだけあってGateway Motelとは比べ物にならないクオリティ♪
部屋の中もメッチャ綺麗だ〜.ただベッドはちょっと派手ですが….
ホテルが随分まともだし外に出るのも面倒になってきたので,晩ご飯はこのままホテルのレストランで.メインはミートローフにラザニア.そして今日もこりずにフレンチ・オニオン・スープ(笑).ラザニアはマッシュルームのクリームソースとオシャレ過ぎて,庶民には普通のミートソースの方が良かったが,概ね満足.
お腹もいっぱい.少し早いが明日は早めに行動したいので今夜はさっさと寝てしまおう.
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