恐怖のスケスケ床

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8:30に起きると,即行ベッドメイクが来る.嫌がらせとしか思えない速さだ.荷造りをしていると9:00にまた来る.この瞬間,奴等にはチップをやらんと心に決めた.

今日は滝の周りでも探索しようかと思ったが,雨も降っているのでもうトロントに戻ってしまうことにした.問題は交通機関.電車や行きと違うバスも考えたが,乗る場所がこのホテルから遠い.雨が降る中あんまり歩きたくないので,行きと同じエアポートバスで帰ることにする.ただ,恐ろしいことに電話で予約しなければならない.

実は,今まで電話で交渉したことはない.身振り手振りや,必殺の指差しが使えないというのはとても心細いものである.この前みたいに誰か日本語しゃべれるだろうし,フリーダイヤルだから長期戦になっても平気だろう,と勇気を振り絞って電話を掛ける.最初に出た人に「誰か日本語を話せる?」と聞くが,アウト.ドキドキの英語での交渉となったが,あまり問題なし.ずいぶん分かりやすい英語で,要点だけの会話といった感じ.クレジットカードの有効期限を聞かれたのが,ちょっと分からなかったぐらいだ.普段カードを使い慣れていない為,そんなことを訊かれるのを知らなかった所為もある.難なく交渉成立.電話を掛ける前にいろいろと考えていたのが阿保らしい.

後は時間通りに来るかどうかだ.行きは50分待たされたので油断できん,と思てっいたらすぐに来た.しかしどう見ても,バスじゃなくタクシーだ.不思議に思っていると,途中で乗り換えてもらうということらしい.30分ぐらい走り,行きと同じようなバスに乗り換える.さらに乗ること1時間,懐かしのSherton Gateway Hotelに帰ってくる.今度の部屋は残念ながら空港が見えないが,その分部屋が大きい.この前の1.5倍はある.

バスに乗っている途中に,雨は雪に変わり気温も-1℃と寒いが,ダウンタウンに行くことに.かったまがCNタワーに行きたいらしい.出る前に空港でジャンキーな中華を食べる.酢豚が赤い.ケチャップより赤い.しかも食べると激甘.どこぞで敬之が食べたものを思い出してしまった.

ダウンタウンへはAIRPORT EXPRESSというバスを使う.タクシーが片道C$45も掛かるのに比べて,往復でC$20は安い.私が先にISICカードを使って学割で買ったものだから,ISICを持ってないかったままで学割.ずるい奴だ.確かにどう見ても俺よりは年上に見えないからなぁ.

40分ほどでダウンタウンに着くが,もちろん外は雪.傘でも買おうかと思ったが,どこにも見当たらない.周りを見ても傘をさしている人は少ない.なぜだ?

傘も無く,天気も悪い.よって主目的のCNタワーへ直行.世界で最も高いタワーの1つだ.

チケット売り場で,中途半端に日本語を話す黒人の兄ちゃんに出会う.彼曰く,「4時まで,てっぺんのぽれな~い.ごめんなさい.それでもいいか?」.どうやら最上階の展望台が登れないらしい.しかし,一番上ではないがそれなりに高い展望台までは行けるということなので,そこまで上ることにする.

上に着くと,視界0.周りは何も見えない.天気が悪くて,下30度ぐらいしか見えず,見晴らしというものはまったく無い.客も少ない.トロント一番人気の観光スポットらしいが,私達を入れて10人ぐらいしかいない.1つ下の階にいってみる.が,ここは恐怖の階だった.なんと床の一部が,ガラスでできているのだ.当然下が見える.さすがにガラスの真中に立つと,最高級の恐怖が襲ってくる.やめろ,かったま!その上で飛び跳ねるなぁ!かったまもネジが外れているが,カナダ人も何考えてるか分からない.

トロントは地下街でも有名.ということで,街の中心ユニオン駅からイートンセンターまで地下迷宮を歩いてみる.寒々とした地上とは裏腹に,地下街は沢山の人を収容していた.ほとんどはサラリーマン風の人達で,急ぎ足で移動している.店も多く活気あふれ,ビジネス街という雰囲気が漂う.ただ,初めて来た人は絶対迷ってしまうほど分かり辛い.地図を見ながら行っても迷ってしまった.

ショッピングセンター,イートンはとてつもなくでかい.しかし,やることが無いのでさっさと帰る.いったい何をしに来たのやら….帰りは,地下鉄に乗ってみる.歩いてきた程の短い道のりを地下鉄で帰るのもなんだが,何事も経験だ.キップ代わりにトークンという小さなコインを買って乗るのだが,これが本当に小さい.1 円玉よりも小さく,軽い.ちょっとちゃち過ぎかも….地下鉄は2駅しか乗らなかったが,結構きれいでいい感じだった.