初めてのホテル交渉

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3日間お世話になった金星大飯店とも今日でお別れ.台北駅9時発の電車に乗るつもりでホテルを出る.ところが駅に着いたのは発車10分前.窓口はもちろん日本語も英語も通じないので,筆談で急いで乗車券を購入.その時すでに発車5分前.そこからホームまで思いっきり走って,ぎりぎりセーフ.なんとか電車には乗ったものの,まだどこで降りるか決めてなかったりする.高雄まで行くか,台南で降りるか,それとも阿里山へ行ってしまうか.選択肢は3つ.まぁ,一番手前の阿里山に着くまでまだ時間がある.ゆっくり決めればいい.

阿里山に行くには嘉義駅で降り,そこから阿里山鉄道に乗り換えて山頂に向かうのだが,阿里山鉄道は人気が高くて予約が取りにくい.そこで取り敢えず嘉義駅で降り,阿里山鉄道のキップが買えれば阿里山へ,買えなければ台南に行くことにした.

しばらくして嘉義駅に着く.あまり降りる人はいないのに,迎えの人はなぜか沢山いる.と思ったら,なんとその人達はみな客引き.私達が改札を出た瞬間から「阿里山!,阿里山!」と日本語で叫ぶ.いくらなんでも客引きが多過ぎだと思いつつ,その人達をシカトしてキップ売り場へ向かう.ところが阿里山鉄道は売りきれ.これで今日の台南行きが決定.しかし困ったことに次の電車までは1時間以上もある.しょうがないのでお昼でも食べようかとウロウロしていると,「あんちゃん,ありしゃん行こうや!」などと言う馴れ馴れしい親父も出現.客引きというのは本当に恐ろしい….

台南に近づくにつれて,周りの景色は南国色が強くなっていく.次第にヤシの木が増え,道路から田んぼの中にまでヤシの木が立つという不思議な光景が広がる.

台南に到着するが,ここはさすがに温かく湿度も雨上がりのように高い.まずは今日泊まるホテルを決めなければならないのだが,なにぶんホテルを現地で取るのは初めて.無難にガイドブックに載っている中から首相ホテルをチョイスする.しかしフロントが中途半端に日本語をしゃべるので,こっちは何語をしゃべっていいのか分からない.英語と日本語が入り混じりながら,3人用のDeluxe Twinを一晩取る.しかし,部屋に入るとダブルベッドとシングルベッドが1つずつ.3人用とはこういう事か….さすがにダブルベッドで一緒に寝る気にはなれない.後でエキストラを頼もう.でも部屋は広いしとても綺麗.これまでで1,2を争う出来だ.

地図を見ても分かるのだが台南の街は大きくない.ほとんどの観光スポットは駅から歩いて15分で行けてしまう.見る所も多くなく,1つ1つも小粒であまり観光向きではない.

赤嵌楼

大天后宮

孔子廟

大南門

五妃廟

延平郡王祠

とテンポよく見ていくと2時間位で見終わってしまった.どこへ行っても観光客はまばらで,人もほとんどいない.ただ物売りの人は強烈.少ない客をゲットしようと,一度捕まえるとなかなか放してくれなかった.

そんなこんなで,心を癒すものが無いまま夜市へと繰り出す.

6時前に着くと,ここもほとんど人がいない.ふしゅー.仕方ないので隣のデパートで時間を潰す.ところがその中のCD屋で,台湾の暗黒面に捕まってしまった.洋楽や台湾のCDは300~400元(¥1,200~¥1,600)で売っているのだが,なぜか日本のCDだけは100元(¥400)しかしないのだ.しかも嘘日本語や,見た事ないベスト版のオンパレード.98年ベストヒットとか行って,1枚にメジャーな曲が全て入ってたりする.レコード会社など無視しまくりだ.そんなCDが普通の店で売っているなんて,台湾恐るべしである.

そろそろ夜市も賑わい出した.といっても人は少ないが,さっきよりはましだ.台南の屋台料理といえば,棺材板と担仔麺.形が棺桶に似ているからという,およそ食べ物らしくない名の由来を持つ棺材板.正体は揚げた食パンの中にホワイトシチューとあまり台湾っぽくないが,名前はともかく味はいけてる.のどが乾いたらパイナップルミルク.台湾ではこの様なフルーツと牛乳をミックスした飲み物がとても多く,どれもおいしい.担仔麺はとても具沢山で,鍋焼きうどんみたい.これだけボリュームがあって40元はとてもお得だ.最後にデザートだ.店頭にゼリーや団子が大量に並んでいる店があり,器に好きな物を好きなだけ入れる.それを店の人に渡すと,その上にかき氷を大量に掛けてくれる.氷で引き締まった団子の歯応えがたまらないが,非常に甘くて台湾らしいデザートだ.しかし,どれも安くて嬉しい.とても満足してホテルに戻る.