ボローニャ&マルゲリータ

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ようやく,今回の旅のメインディッシュともいうべき,イタリアへと向かうことになる.いつものごとく朝はあまり時間もないので,宿の朝食.ここで出たチーズは意外においしく,長い電車に備えて2,3個いただいておく.そして重い荷物をかついで駅まで歩き,再び登山鉄道でインタラーケンまで戻る.これでアルプスともお別れだ.

電車はシュピーツでいったん乗り換えて,ミラノへと向かう.そのシュピーツではちょっと時間ができたので,駅の周りを探索するとグリンデルワルトにもあったスーパー,ミグロスを発見.記念にチョコを買って,スイスを後にする.そういえばグリンデルワルトでミグロスをバックに写真をとっている人がいたが,ただのスーパーを写真にとってどうするのだろう?

ミラノへと向かう電車は通路が端にあり,扉で仕切られて6人席の客室がある.ようするに寝台車のような感じだ.しかしこういう構成だとほとんど密室状態なので,知らない人が乗ってくるとちょっと怖い.そんなことを考えてると突然怪しげな人が…,と思ったら車掌さんだ.どうやらパスポートチェックらしい.イタリア入国のスタンプを押してくれる.そういえばスイスに入国したときは見ただけだったので,パスポートにスイスに入国した形跡がないのか….ちょっと残念だ.しかしイタリア入国のスタンプは,薄くて見づらいがドイツ入国のスタンプとほとんど一緒.あまり芸がない.まあ日本のヤツも丸に四角と決して面白いものではないが….

電車が国境を越えると,外の風景が少しずつ変わってきた.低い木が多くなってきて,山岳地帯という雰囲気がなくなってくる.お客も増えてきた.そして数時間,やっとミラノに到着だ.駅はかなり大きく綺麗だが,気は抜けない.私達は車中で熟読したガイドブックに,ジプシーやスリの恐ろしさをすでに植え付けられているのだ.恐る恐る駅に降り立つが,予想に反して誰も近づいてこない.なんだ,恐れていたほどではなかったか?ともかく駅で荷物を預けてホテル探しだ.そこで初めてリラを使うが,桁も多いし計算するのも面倒くさいし嫌な感じである.そして駅を出ようとすると,いきなり駅のベンチでラリってる人発見.おいおい,いいのかそれで?イタリアは怖い国だということを再確認.これから街に出るが,気は抜けないようだ.

街に出た第一印象は,汚い.なにが悪いというわけではないが,全体的に薄汚いのだ.駅から近い場所でもあまり人通りも多くないし,どこかで犯罪が起こっていても不思議じゃない雰囲気だ.そんな中を歩くこと1,2時間,ようやくお安いお宿をGET.ただし安いなり.ドアの鍵は硬いし,床はタイル張り.共同のシャワーと便所が一緒なのもちょっと嫌な感じだ.

一休みしてから街の中心ドゥオモを目指す.ミラノの主な足は地下鉄だが,ユーロパスが使えるのか分からない.だめもとでユーロパス片手に改札を通るが,駅員はこちらを見もしない.そのまま素通り.相変わらず西洋の鉄道はチェックが適当である.

ドゥオモは駅前と打って変わって人が多い.ドゥオモ前の広場が盛大に工事中ということもあって,その周りの混雑ぶりが余計に人の多さを感じさせる.物売りもいっぱいいて,プラダとかルイビトンのバッグを首からたくさん下げてる黒人が目立つ.売ってるのはもちろん偽物だが,はたしてどれくらいの人が買っているのだろう?

そしてピッツェリアで腹ごしらえ.もちろん頼むのはスパゲッティとピザ.やはりイタリアに来たからにはこの2つを食べなければ!スパゲッティはボローニャ,ピザはマルゲリータにしてみる.ともにおいしい.ただ問題はピザの食べ方.周りの人を見ていると,みなナイフとフォークで食べている.それに習って食べてはみるが,これが結構大変.手でつかんでかぶりつきたいが,やはり無作法なのだろうか?

今日はホテルを探すのに時間をかけすぎて,あまり時間がなかった.ミラノ中央駅にあるスーパーによって帰る.スーパーは日本とあまり変わらなかった.しかしこの時間になると,駅周辺は嫌な感じだ.電灯も多くないし,あまり1人では歩きたくないものだ.スーパーからホテルまでの道も意外と暗め.何も起こらないうちに,早く帰ろう.

そしてホテルについて,一日の疲れを癒すシャワー.ところがこれが最悪.仕切りどころかバスタブすらないシャワー&トイレ.使えば使うほど周りがビチャビチャ.こんなに濡れて,どうしろというのだ?