世界最小の国へ!
昨日,水は値段差が激しすぎることが分かったので,あらかじめ1リットルのペットボトルを買って出かける.だがさすがにちょっと重く,買ってすぐに後悔した.
今日の目的地はヴァチカン市国.ローマ市の中にあるが,歴とした国だ.しかし独自の通貨を持っているとはいえリラも使えるし,ローマからパスポートなしで入国どころか,地下鉄ですぐ行ける.ここまで別の国の気がしないのなら,無理して分けるなと言いたくなるが,キリスト教世界のことはよく分からない.
地下鉄を降りると,駅からすでに人の列.蟻の行列のように,みなヴァチカン市国へと向かっている.地図を見なくてもいいのは楽だが,ここまでみんなが同じ方向に向かうとさすがに気持ち悪い.
その人並みに沿って,まず着いたのはヴァチカン美術館.ところがここは,驚くほどの人の数.自分達も一因なので大きなことは言えないが,ここまで込んでる美術館は見たことがない.いたるところにツアーの団体がいて,見てまわること自体が大変なのだ.いろいろ見ようと思ったが,この人込みじゃ無理.ほとんどすっ飛ばして,いきなりシスティーナ礼拝堂に行ってしまう.「天井画」と「最後の審判」さえ見ておけばいい.さすがにこの2つは大物.大きさにも圧倒されるが,とても400年以上前の絵とは思えないほど鮮やかだ.
美術館を出て,お昼御飯にする.ところが入った店が最悪.料理はおいしくないし,頼んでもいないのに前菜や,デザートを運んでくる.こっちを引っ掛けようとする魂胆が見え見えだ.チップを欲しそうな顔をしていたが,もちろんくれてやらない.後で分かったことだが,実はその店が「地球の歩き方」にぼったくられた店として載っていたのだ.本当にローマとは恐ろしい.
そして午後は,カトリックの総本山,サン・ピエトロ寺院.外観は意外とシンプルで,入り口では服装チェックをしている.中はとても広く,豪華に装飾されていい感じ.しかしなんと言っても綺麗なのは,差し込んでくる太陽の光.ステンドグラスがないため光が制限され,とても幻想的だ.
有名なピエタ像もあるのだが,少し遠くて見えにくいのが残念.
そして教会のドーム,クーポラに上る.途中まではエレベーターで行けるが,そこからさらに320段もの階段を上らなければならず,「お年よりは気をつけて」という注意書きまである.最後に,真中に紐が下がっているだけの恐ろしい螺旋階段を上る.頂上はさすが.ヴァチカンが一望できる.しかしここも人がいっぱいで,動くのが大変だ.今年がこれだけ込んでいると,ミレニアムな来年はいったいどうなることやら….
すぐ近くにあるサンタンジェロ城にも行ってみる.しかし,実はあまり見る気はない.なんか人込み続きで疲れたので,一休みしに来たというのが本音.人も少なめだし,全体的にひんやりしていて,休むには最適.しかも思ったより中もよく,市街の見晴らしもいい.
すっかりリフレッシュしたので,晩御飯を食べてから夜のトレビの泉に行ってみる.ここは夜でもすごい人だ.とりあえずコインを肩越しに投げて帰る.
怖かったのはその帰り道.二人組みの男が,道を教えてくれと尋ねてきた.しかし,こっちもよく分からないのでマゴマゴしていると,いきなり一緒に飲みに行かないかと誘ってくる.その瞬間,さっとガイドブックのぼったくり事件が頭をよぎり,力いっぱい断って帰ってきた.いくらなんでも,そんなに無理がある話の展開ではこっちも気付くさ….しかしなぜイタリアにはこういう人が多いのだろう?
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