確かに,傾いている

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ヴェネツィアからフィレンツェへと移動する日だ.トマトとモッツァレラチーズのサンドイッチを片手に電車に乗り込む.行きの電車も非常に混んでいたが,フィレンツェ行きの電車はそれを上回るすごさだ.通路に設置された簡易椅子に座ることはできたが,そこもすぐにいっぱいになる.コミコミだ.途中で普通の席に移動できたが,3時間も簡易椅子だったらお尻が煎餅になってしまうところだった.

そしてフィレンツェ到着.何はさておきホテル探しだが,今回は結構簡単に決まった.2件目でGETである.お値段も今までで一番安いし,上出来だろう.ただし風呂はまたもバスなし.しかも今回はトイレとシャワーの床に境目がないと,ミラノを越えている.今夜はさらに厳しい戦いになることが予想される,と思ったらすでに戦いは始まっていた.トイレに行ったお猿さんが,「おい,ここの便器は便座がねぇよ!」 と帰ってくる.そこまでボロくはなかったぞ?と確かめに行ってみると,お猿さんが小用を足したのは,なんとビデ.恥ずかしい限りである.

さて今後の予定だが,今日はユーロパスを使っているし半日しかないということで,思い切ってピサまで足を伸ばす.ピサは電車で1時間ぐらいと,割合に近い.

しかし到着した地は,本当に観光地なのかと疑わせる静けさ.有名なピサの斜塔までの道がどこか分からないほど,人気がない.おかげで斜塔に向かうつもりが,間違えて変な塔に着いてしまった.ガイドブックにも載ってないような塔だが,せっかくだからと位置確認もかねて上にのぼってみる.受付のお姉ちゃんも暇そうだし,もちろん他の客はいない.しかしずいぶん本来のコースと違うようだ.そうなるとなぜこんな所にこんな物を建てたのか不思議だ.だれか来ると思ったのだろうか?

苦難の道を歩き,やっとこさ斜塔に到着.しかしまずは御飯だ.さすがにお腹が空いた.客引きのうまいおじさんに連れられて,海鮮パスタとピザを食べる.おいしかったしお腹もいっぱいになったと,客引きは怪しかったが店は当たりだったようだ.

そしていよいよ斜塔やドゥオモが集まる,その名もドゥオモ広場に突入.しかし改めてまわりを見渡すと,なんと小さい….このドゥオモ広場を中心に,食べ物屋やお土産物屋が囲むようにして点在しているのだが,その半径がわずか100mぐらい.駅から広場までもたいしたものはなく,本当にこの広場がピサの全てという感じなのだ.

しかし残念なことに,斜塔の中には入れない.外から見るだけだ.けど,本当に傾いてるなぁ….こりゃいつ倒れてもおかしくない気がするわ.

次に同じドゥオモ広場内にある洗礼堂なるものに入ってみる.音響効果が素晴らしい所らしいが,手を打ってみてもよく分からない.ひょっとしたら中を見るより,外から見ていたほうがいいかもしれない.

その次が,ドゥオモ.正面扉のトカゲに触ると結婚できるらしいが,あいにく工事中で触れることができず.子供が授かるというイエスには触れたが,結婚せずに子供ができたらどうしよう….ともになでられすぎでツルツルのピカピカだった.

その聖堂内は建物感あふれる構造で,あまり教会らしくない感じがする.残念ながら,好みじゃない.説教壇と吊り下げられたランプはすごい物らしい.

そして最後に納骨堂へ行く.が,これはまあたいしたことない.汚い絵と汚い石が転がっている所,なんて言ってしまうと目も当てられないのでやめておこう.

フィレンツェへ戻ったら,夜のライトアップされたポンテ・ヴェッキオを見に行ってみる.