黄金の大仏は笑いで世界を救う?

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「うわぁ~!!」

ワッキーの突然の叫び声に目を覚ます.しかしこの暗さはどう考えてもまだ夜中.いったい何がどうした??

薄暗い中,ベッドの上に立ってバタバタと踊るワッキーを訳も分からず眺めるコトしばし….

ようやく落ち着いたようなので何が起きたのか聞いてみると,なんとヤモリだかトカゲだか良く分からないが,爬虫類的な物体がパンツの中に侵入してきた,と.うわー,想像するだけでゾッとする.

1Fの部屋で窓を全開にして寝てたもんで,窓から侵入して蚊帳伝いにベッドに上がってきたっぽい.蚊帳も小物には強いが大物相手にはむしろ侵入の足がかりになってしまうのか….しかし肝心のUMAは逃げてしまい,部屋のどこかで鳴りを潜めている.窓を閉めて蚊帳の裾をベッドの上までたくし上げて再び眠りにつくが,UMAが気になってイマイチ寝付けない….

とは言えいつの間にか寝ていたようで,6時過ぎに目が覚める.しかもUMAが気になって眠りが浅かったワケではなく,たんに外が五月蝿くて目が覚めただけ.

7時前にノックで呼ばれると,テーブルの上には既に朝食の準備ができていた.虫除けと思われる新聞紙をめくると,パイナップルにフォークがグサって….まぁ…,いいか….最早定番となってきたトーストと卵のウエスタンスタイルだが,久しぶりにスクランブルエッグに塩がきいていてウマい.

今夜はダンブッラに泊まるので,シーギリヤ・ロックに行く前にFlower Innをチェックアウトしけなければならない.流石にバックパックを担いで岩に上るのはツラいのでバックパックだけ預かってくれないかと聞いてみると,快くOKしてくれた.さあ,手荷物だけを持って,いざシーギリヤ・ロックへ!!

シーギリヤ・ロックへは歩いて向かうが,途中,早くも木々の隙間からロックが見える.思ったより遠いね(汗)

宿から歩くと横の入り口から入った方が近いんだが,折角なので正面の入り口から入ろう.正面口を目指してシーギリヤ・ロックを囲む堀沿いに歩くと,客を降ろした観光バスとすれ違う.まだ8時なのに,ツアーも結構早いんだなぁ.

正面口に着くとそのツアー客と思われる人達で既に行列(汗).どうやらチケットのチェックに時間がかかっているみたい.

しかし思った程時間もかからず,無事中に入るコトができた.さぁ,まずは暑くなる前にロックに登っちゃおう!!

階段を上って木立を抜けると,おお~!!いきなり正面にシーギリヤ・ロックきたー!!やっぱデケー!

ロックに近づくと傾斜はキツくなってくるしデッカい岩もゴロゴロしてきた.しかし緑が深くて,苔も手伝って古代遺跡っぽい雰囲気になってるのが良いなぁ~.

ふと見上げると,ロックの岩肌に取って付けたような螺旋階段が….やっぱ,アレを上るんだよな….

まずはシーギリヤ・レディに会いに行きたいんだが,どうやら先程の螺旋階段を上らないと行けないらしい.早速上るのか….

螺旋階段は金網で囲まれてはいるが,スケスケなもんで下を見ると結構高い.鉄骨もだいぶ細いけど,人が乗りすぎて壊れたりしないよな….とにかく早く登りきりたい!!と先を急ぐと,まさか,あの壁に張り付いてる宙吊りスペースがシーギリヤ・レディか!?

うは~,長居したくない場所だ…と思いながら幕で覆われた宙吊りスペースまで上りきると,幕をくぐった瞬間いきなりレディとご対面.お~,色鮮やか♪1400年前の壁画がここまで残ってるのはスゴい.ただ壁には何人ものレディ達がいるが,出来は様々.ぶっちゃけあまりイケてない子もいる.お気に入りは奥の子かな~?表情がいい♪肌も色とりどりだが,緑色の肌はいったい何処の出身ですかね…?しかし帰りの螺旋階段,行きの階段よりも錆びがヒドいし金網にも穴が開いててさらに怖い….

お次ぎはミラー・ウォール.しかし壁はそんなに,っちゅーか全然ミラーじゃない.多少光沢がある程度.シンハラ文字で詩が掘ってあったりするんだけど,総じて壁面はつるつるで他に飾りもなく味気ないなぁ.

ミラー・ウォールを通り過ぎると,下の方にちょっとした広場を発見.まわりの皆は見向きもせずに進んでいるが,気になるのでちょっと寄り道してみる.奥の大きな岩の下の隙間は単にひび割れと思っていたが,もしや小さな石柱の上に乗っかってるのか?あー,投石機か!なる程!この石柱を叩き割れば岩が下に落ちて行くのかー.しかし良く落ちずに今まで残っていたもんだ.隣も元々は同じように岩が乗っていた感じだけど,失敗して落としちゃったのかな?(笑)

そしていよいよ,ロック登頂の入口となるライオンの入り口へと到着!!って,岩肌にはまた取って付けたような階段が(汗).今度は金網もなしか…, 入口のライオンは今は前足しか残っていないが,このサイズで頭まであった姿を想像するとだいぶ壮観だなー.

さて,まだ9時だが既に暑くなってきた.覚悟を決めて針金階段を上るか….

上り始めると階段はいい具合にスリリング.最低限の手すりしかないので,落ちようと思えば簡単に落ちれちゃう.でもそれより壊れないかの方が心配だな…,早く安定した場所へ!!

しかしこんな階段すらなかった昔,王様はどうやって上ってたんだろう?

そんなに長い階段ではなかったが,暑いし急だしで汗はダラダラ息も切れ切れになって頂上に到着.しかし360°見渡す限りジャングルが広がり,すごいいい眺めだ.湖もいいアクセントだし,結構高いんだな~.

この景色を見ていると世界が自分のモノと勘違いしちゃう気持ちも分からんでもない,と王宮跡に立って思う.王のプールも水が綺麗なら気持ち良さそうなんだけどなぁ~.晴れた日は昨日見たアヌラーダプラのダーガバも見えるらしいが,残念ながら分からず.しかし上ってしまうと,大き過ぎて岩の上にいるという気が全然しない.

ひとしきり絶景を堪能して,上ってきた階段を下りる.しかし階段は下りの方が怖いコトが発覚….傾斜が急なのでまるで崖っぷちに立っている感じがして,吸い込まれそうだ(汗).

階段を下りてライオンの入口から吐き出された後,投石機の横を通ってさらに下へと降りていく.すっ飛ばしてきたエリアをぶらぶらと見学だ.会議室や礼拝堂などがあるが,総じてデッカい岩と豊かな緑という感じ.のどかで,風が吹くと気持ちいい~.

しかし参道のようなメインストリートや水の広場は,遮蔽物がないのでスゴい暑い….

シーギリヤ・ロックの観光が一通り終了したので,飯屋を求めてまともなホテルが建っているエリアを探索.するとシーギリヤ・ロックを眺めながらご飯が食べられる,贅沢な眺めのLake SIDEを発見.チャーハンとデビルを「A little spicy」でお願いしたけど,昨晩と違って程よい辛さでウマい.お玉に値札が付いたままなのは笑ったが,出てくるのも早かったしナイスチョイス.しかし湖が近いからか蠅がかつてない程スゴい.払いきれずにパパイヤジュースの中で溺死されてしまった….

2次元の地図じゃ,シーギリヤ・ロックのスポットが分かりづらい.

ホテルに戻ってバックパックをピックアップし,ダンブッラ行きのバスを待つ.と言ってもバス停がないので通りの脇でボーっと立つのみ.バスはいつ来るかも分からないし,暇だ….すると近くのサファリツアーのオフィスにいた若者が近付いてきて,話しかけてきた.暑いからオフィスの中で待ってろ,と.まーオフィスと行っても東屋みたいなもんだけど.

Newtonと言うその若者は,隣にある象のいない象の風呂を見せてくれたり,千葉に住んでる日本人の友達という拙い日本語を話すフィリピン人と電話させてくれたり,微妙ではあるがいい時間潰しをさせてくれた.

20分程経ってようやくやって来たバスに乗ると,途中から小学生がたくさん乗ってきてエラいコトに.何が楽しいんだかこっちをずっと見て,俺らの一挙手一投足まで真似をして大笑い.ちょいとツンツンしたり遊んでやると大はしゃぎだ.

ダンブッラまでは田舎道を走るコト40分.

ダンブッラのバスターミナルでハイテンションな小学生達と別れ,トゥクトゥクで安宿外へ向かう.1kmちょいでRs.100(¥72)と,多分ふっかけられているんだろうけど平気でRs.400とか言ってくるコロンボよりは全然安い.宿はHealey Tourist Innか隣のSun Ray Innか迷ったけど,外観がまともなSun Ray Innにしてみた.部屋はnon-A/Cだし蚊帳も1つで残念だが,1晩Rs.2,750(¥2,000)と昨晩シーギリヤで泊まった宿より少々お高い.もちろんシャワーはお湯が出ないが,暑いし水でもいいや.

さて,まだ15時前なので,ダンブッラの街を探索してみる.といっても見所はダンブッラ石窟寺院ぐらい.宿から1kmぐらいなのでアイスを食べながら歩いてテクテクと….シーギリヤよりは商店が多いな~.

10分程歩いていると,それっぽい建物が見えてきた.って,なんだ!?建物の隙間からなんか変なモノが…

さらに近付いてみると,なんじゃこりゃ~(笑)

申し訳ないが,あまりにもイケてないGolden Buddhaが突然出てきて本気で笑ってしまった(笑).不細工な顔と,田舎の新興宗教みたいな出来立てホヤホヤ感あふれる金色がツボにはまった!しかも寺自体も中国の怪しいハデハデ寺みたいな色合いだし,訳の分からん大量の僧の人形が並んでるし突っ込みどころが満載♪

しかしここの主役はこのGolden Buddhaではなく,その裏にそびえる岩山の上にある石窟寺院.突っ込みは程々に,岩山を上って石窟寺院を目指す.頂上まではそこそこの上り坂で,シーギリヤ・ロックに上った疲労も手伝ってダラダラ….なにせ道に危機感がないしね.

靴を預けて中へと入る.靴下も慣れると気持ちいいなぁ~.薄暗い石窟寺院の中は,沢山の仏像が並んでいるのでチョイ不気味.でも天井画はなかなか綺麗.手前の第1窟から第5窟まであるが,奥に行くと段々しょぼくなる.第2窟には地名の由来にもなっているダンブッラ(水の湧き出る岩)がある.壺に滴り落ちる水は不思議と溢れるコトがないというが,壺はほぼ満杯だし,水が滴り落ちるスピードも意外と高頻度.溢れないって本当かなー?

ちなみに岩山の上からは遠くにシーギリヤ・ロックも見える.こうやってみると,良くあそこに上ったなぁ~.

時間がまだあるので,Golden Buddhaのお膝元にある博物館に寄ってみる.しかしここ,全くやる気ねー.照明は半分ぐらいついてないし,エアコンもオフ.電気を使う展示物は総じて動いてないし,乾電池しか使わない世界時計すら動いてない(笑).世界各地の仏が並んでいるコーナーが国ごとの違いが分かって唯一興味深かったが,最近の寄進仏なもので仏像自体はイマイチ.

後はもう少し南下したりしてプラプラ散歩.雑貨屋を見つけたのでまたまたWood Aappleジュースを飲んで一休み.よく見るとサンボルとムルックが売っているので,お土産に買っておこうかな.

一旦ホテルに戻り,我慢できずにシャワーを浴びる.今日は結構汗かいたからな~.そして一休みして,晩ご飯へレッツゴー♪今日は絶対に「冷えた」ビールが飲みたいと,飲めそうな店を石窟寺院からの帰りにリサーチ済み!冷え冷えのビールはウマー!!しかし残念ながらカリーは昼しかやってないと(泣).しょうがないので別のメニューにしてみるが,チャーハンもウマいしスープも塩気が最高♪汗かいたからかな~?でも他の客が全くいないのが少々心配….

宿の主が2Fにバーがあると言っていたので食後に寄ってみる.しかしあまりお酒を飲まないお国柄ゆえか,外観・内観ともに怪しすぎ.なんで照明がピンクなんだよ….

もちろん飲むのはスリランカの酒.椰子の蒸留酒であるアラックに初挑戦!銘柄はOLD ARRACK.おほぉ~,あっま~い.ラムみたいだ.ラム好きの俺にはかなり好みの味.今夜はほろ酔いで気持ちよく寝れそうだ.

ダンブッラは見所が少なかったな~.