紅茶代で社会勉強

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7時半に目が覚める.寝返りを打つ度にギシギシ五月蝿いベッドと1つしかない蚊帳を無理矢理2つのベッドで使った狭さのせいで,あまり快適な寝心地ではなかった.実は今日はコロンボで出会ったキャプテン(自称)とマータレーで会おうと約束した日.泊まりに来いとは言われたものの,色々ボラれそうで正直まだ泊まりに行くか悩んでる最中.とりあえず朝飯くうか….

今朝もまたパンと卵の朝食だが,目玉焼きは胡椒が効いててスパイシー♪今までで一番美味しい.しかしパパイヤジュースはなぜか食後に運ばれてきた.先にくれって….

さて,腹がいっぱいになったらなんか気も大きくなってきた.よし!!今日はキャプテンの家に泊まってやろうじゃないか!!ボラれたとしても1万円も行かないだろう.ちょっと高めのホテル代と思えばいい.それよりも一般家庭で宿泊&カリーを経験できるメリットの方が大きい.

そうと決まれば早速貰った番号に電話だ.しかしいざ電話をかけようとすると,そういえばスリランカで携帯以外の電話を見たコトがない….宿の主に聞いてみると,代わりにかけてやる,と.おー,それは助かる.ぜひお願いと番号を渡す.目の前の電話でピッポッパと打ち込んで待つコトしばし.

……

主:「Wrong number」

え…?繋がらない??

まぢで…?

何回かかけ直してもらうも,通じず.しかも主が言うには,これはマータレーの番号じゃない,と.なんと,「泊まりに来い」という話からして騙しだったのか….意を決しての電話だったので,なんか拍子抜け….ホッとしたような,残念なような,とても複雑な気持ちだ.

とりあえず気持ちを切り替えて,今日の予定を考え直す.もしかしたら一時的に電話の調子が悪かっただけかもという小さな可能性も考え,寄り道しながらも一応マータレーに向かおう.そして待ち合わせ場所の郵便局に行ってみて,もしキャプテンがいたらそのままマータレー泊,いなければキャンディまで行く.そんな感じかな.

と言うコトでダンブッラを後にし,まずはバスでナーランダを目指す.運ちゃんがかっ飛ばす超怖いバスにあたってしまったが,30分程走った所で突然の休憩タイム.ナーランダへは40分しかかからないんだけど….始発が何処だかも知らないが,いまいちバスの休憩基準が分からないな….

再出発した後はすぐにナーランダに到着.しかしナーランダ遺跡へは,バスを降りてから横道を1km歩かなくちゃいけない.しかも荷物を預ける所がないのでバックパックを担いだまま….

道すがら,家々の子供達に手を振られながら歩くこと15分.曇りのおかげで汗だくにはならなかったが,じっとりと汗ばんだ状態で遺跡の入口へと到着.おっと,ちゃんとチケットオフィスがある.こんな辺鄙な場所でも入場券のチェックするんだ….ついでにバックパックも預かってもらって,仏殿へいざ!!

このナーランダ遺跡,何がスゴいってスリランカのど真ん中にあるってコト.しかも1000年以上も前に,真ん中を狙って建てたらしい.地図を見ると驚愕の精度だ….

お~,ここは静けさがあっていい.しかも今,自分がスリランカの中心に立っているかと思うととても感慨深い.と浸ってたらツアー様御一行が到着して一気に賑やかに….ガイドブックにはひっそりとしているとあったが,次から次へとツアー客が押し寄せる.意外と定番の観光スポットらしい.しかしどの団体も短時間ですぐ帰るので,いなくなった間は忘れられた遺跡のように静寂に包まれとても落ち着く.

次はアルヴィハーラへと向かいたいのだが,なかなかバスに乗れない.バス停がないので腕を出して停めるのだが,どうも停まってくれる場所とそうでない場所があるみたい.何回か場所を変えながらチャレンジして,最終的にはナーランダに着いたときに下車した辺りでようやく停まってくれた.

30分でアルヴィハーラへと到着.山の中腹に寺院があるんだが,ふと見上げると山のもっと上の方にまた大きそうな金色の大仏が(笑).遠そうだし,金仏は昨日でお腹いっぱいなので今日は寺院だけにしておこう.

ここもダンブッラみたいな石窟寺院.昨日と比べるとちょっと小粒だが,天井は花柄でかなり派手.

しかしここでスゴいのは地獄絵図!!絵柄はコミカルなんだけど,腹裂き,串刺し,針地獄と,想像するだけで全身が痒くなる絵が満載.隣には人形館のようなモノもあって,こちらもかなり不気味なラインナップで必見!

一通り地獄を堪能した後は図書館に行って,記念にとパピラ(ヤシの葉で作った紙)にシンハラ語で名前を書いてもらう.鉄筆で書いた溝に炭を刷り込んで米粉を塗って磨くんだが,作るの適当~(笑).パピラは2000年持つと言うけど,この名札は無理だな….ちなみにお値段はドネーションとのコトだが,Rs.100(¥70)ぐらいが相場みたい.

そしていよいよ約束の地,マータレーへ!!

アルヴィハーラからマータレーへは,バスでたったの10分.しかし街の雰囲気はガラリと変わって,一言で言えばゴチャゴチャ(笑).久しぶりの人込みと良く分からない店が軒並ぶ街並みで,なかなか活気がある所だ.

はやる気持ちを抑えながら,まずは腹ごしらえ.店頭でチェキってロティが食べたいと言うと,またも2人じゃ食べきれない量がトレーでドバーッと.まぁ,色々食べてみよう.三角形は野菜ロティで,モチモチしたカレーパンみたい.ウマいがいつも通り,辛さは半端ない.丸々としたエッグロティは茹で卵が丸ごと1個入ってるのかー.卵が入ってる意外は野菜ロティと同じだね.丸い揚げドーナツみたいのはワデーかな?おから揚げみたいで,口の中の水分が奪われる….スリランカのミルクティ,キリテーにも初チャレンジしてみたが,すっげーあっまい!

そして,待ち合わせ場所の郵便局へ!!…….って,もちろんキャプテンいません(笑).やっぱり紅茶代ボラれただけか~.しかし冷静に考えると,郵便局で待ち合わせってのもおかしな話だよね(笑)

さぁ,もうマータレーには用はない!!でも折角来たんだから少し探索してみるか.キャプテンも言ってた通り,マータレーはスパイスで有名.と言うコトでお土産用にスパイスがないかと探してみたが,どこも量り売りの本格派でお土産にはちょっと厳しい.と思っていたら,小さな詰め合わせ袋で売っている店を発見!!使い方も良く分からずに買ってみたが,聞いてみると全部ぶち込んでカレーにすればいいらしい.本当か?(笑)

マータレーをブラブラしてたら暑さで喉が渇いた.キャンディへ出発する前に軽く喉を潤しておこうと,フルーツジュース屋へ入ってみる.もちろん,飲むのはまたまたウッドアップルジュース.ミキサーでゴリゴリ作ってくれたジュースは,未だかつてない程冷え冷えでうんまぃ!!スリランカでこの冷え具合は珍しー.あまりのウマさに一気に飲み干してしまった♪

さぁ,喉も癒えたのでキャンディへと出発だ!!とバスターミナルへ歩いていると,うん?なんかお腹が少し痛いな….気のせいかとも思い歩き続けたが,段々トイレに行きたくなってきた(汗).久しぶりに冷たいジュースを飲んで腹をやられたか?と思いながらも,バスターミナルでトイレに行けばいいかと急ぎ足で向かう.しかし到着したバスターミナルは,ターミナルとは名ばかりの単なる広場.トイレどころかバス停すらない場所なんですけど(泣).

いかん,トイレに行けないと思ったら余計したくなってきた.とてもキャンディまでは保たない.しかし小ならともかく,大をこんな広場でやる訳にはいかーん!!とりあえずバスに乗ってる見知らぬ客にトイレはないのかと聞くと,「そこら辺の飯屋で借りろ」と.もう躊躇してる余裕なんざ全くないので,とりあえず目の前の飯屋に「トイレ!!トイレ!!」と叫びながら駆け込む!

お店の人はすぐに理解してくれて奥に連れて行ってくれたが,そこは壁があるだけの単なる部屋.しかもオヤジが隣で小便をしている.「まぢでか!?あの排水溝の蓋にしか見えない金網の上で,しかも見知らぬオヤジが小便している横でケツを出すのか!?」とすぐにも限界を迎えそうな括約筋の状況を鑑み人生最大の屈辱を被る決断を下そうとしたが,思い直して大きい方がしたいコトを身振り手振りで必死に伝える.すると向こうもようやく察してくれたようで,南京錠がかかった別の個室へと連れて行ってくれた.

 

セーフ….

間に合って良かった….

 

いたしてる最中にデッカいゴキブリが這い出てきたが,そんなコトはどうでもいい.危機をやり過ごした安堵感に包まれながらも,日本の充実したトイレ事情を少し懐かしく感じた.トイレを貸してくれたお店の人,ホントありがとう.もし残りの人生でマータレーに再び来るコトがあれば,今度はここで食事をさせて頂きます.

戻ってきたバスターミナルでインターシティバスをゲットするコトができ,ようやくキャンディへと出発.マータレー,滞在時間は短かったが色々と思い出深い土地になってしまった….

マータレーからキャンディへは1時間ちょい.ただ今までと比べて道がスゴい曲がりくねってる.

キャンディ湖の畔で降ろしてもらい,今夜の宿探し.しかしどこもかしこも満室だらけ.たまに空きがあってもダブルベッドしか空いてない.キャンディは2泊する予定だから流石にダブルベッドはヤダな~.

しょうがないので段々中心街から離れるように探していき,6件目でようやくゲット.しかし気が付けば結構山の中まで上って来ちゃってて,歩いて中心街まで行くのは辛いロケーションになってしまった(汗).なにせベランダからはキャンディ湖が見下ろせるこの眺めだもんね.こりゃー,移動にトゥクトゥク必須だなー.一晩Rs.2350(¥1,700)と昨日のダンブッラより安いが,場所を考えるとお得感は微妙だな.

バックパックしょったまま坂道をだいぶ歩いたので,ちょっと疲れた.なもんでホテルでダラダラしてると,気が付くともう17時だ.今宵はキャンディアンダンスを見ようと思っていたが,調べてみるとどこも開演が17:30.やべ,急がないと!!

ホテルでお勧めの上演場所を聞いてみると,Y.M.B.A.が良いとのコト.ホテルから一番近いし,好都合.さっそくトゥクトゥクを拾って出発♪

山を下りるだけだが,トゥクトゥクはRs.50(¥35)とお安い.毎回このくらいの値段で行ってくれると助かるなぁ.しかし下り道はエンジンを切るという節約っぷりが笑える.でもこの運ちゃんとても良い人で,Y.M.B.A.に着いた後も歩いてしか入れない会場の入口までわざわざ案内してくれた.しかも大きい札しかなくてチケットを買えずに困っていたら,お札の両替までしてくれた.この親切心と普通に人を騙す感覚が同居するのが,スリランカの不思議な所だ.

会場はすでに8割ぐらい埋まってて,暫くすると後ろに立ち見まで出る人気具合.

キャンディアンダンスの音楽は,今までにあまり聞いたコトがない感じ.太鼓が中心で他はタンバリンぐらいしかないので,儀式感が高くトランス状態になっちゃいそうなリズム(笑).ダンスはわりと動きが激しいんだけど,踊りが揃ってないのはご愛嬌.しかし少し年取ったおじさんは辛そうだ(笑).

1時間程ダンスを見続けた後には,何もなくても太鼓が聞こえてくる程リズムが頭に刷り込まれた….その後は外に出て,軽い場所取り合戦の後にファイアーダンス.蛇使いのような音楽のもと,ファイアー,ファイアー♪炎を舐めたり体に押し付けたり,あっつそー(汗).ファイアーダンスもなかなか良かったが,時間が短かったのがちょっと残念.

そして晩ご飯はもちろんカリー♪ダール,マトン,キュウリのカリーに,サンボルとパパダンのゴールデンセット.それに空心菜っぽい塩炒めと温野菜を付けてみた.マトンは少々しょっぱいが,どれも辛くてウマい!!ただキュウリだけは筋っぽくてイマイチだなー.温野菜は頼んで正解.正直味はほとんどないんだけど,辛さを癒してくれる.しかしライス&カリーと単品カリーの位置付けがイマイチ分からないなー.ライス&カリーだとカリーは必ずダールだし,肉や魚のカリーを食べようとするとライス&カリーを頼まないと米が付いてこない.肉や魚のカリーとのライス&カリーがあってもいいのに….

そして食後はパブへ.THREE COINSで喉を潤した後は,今夜もアラックを.昨日とは違うV.S.O.A.(Very Special Old Arrack)を頼んでみるが,正直,昨日のOLD ARRACKとの違いは良く分からない(笑).バーテンの兄ちゃんと色々話してみると,アラックを割らずに飲む人は珍しいと.みんなはコーラで割ったりするみたい.お勧めの銘柄を聞いてみると,DOUBLE DISTILLED ARRACKだと瓶を見せてくれた.へ~,売ってるの見つけたらお土産に買って帰ろっと.

ほろ酔いでfood cityというスリランカでどこにでもあるスーパーに行ってみる.するとカリーの全部入りっぽいスパイス売ってるじゃないですか~.早速購入♪しかも水牛ヨーグルトのカードも発見!!こうなるとカードにかける椰子の花蜜,キトゥル・ハニーも欲しくなってくる.売ってないかな~と探してみると,あった!が,デカい!(笑).まー,いっか.買っちゃえ.早速,宿に戻ってカードを食べてみる.う~ん,やはり後味がチーズに似た独特な味がする.でもおいしい♪

ここでパタンと寝たい所だが,パンツが足りなくなってきた.もう22時過ぎだが,洗濯しないと….