アジア一の車窓は尻窄み

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8:20発の電車に乗る為に,少し早めの6時に起きる.少し眠いが良く寝たので疲労はない.ただ,口内炎が出来かけてて歯茎がちょっと痛い….

外はいい天気♪だけど今日は一日電車だし,日焼け止めは塗らなくていいかな~.

昨日と全く同じ朝食だが,向かい合わせだった席が今日は横並び.このレイク・ビューを眺めながら食べろというコトか.そっか,昨日はセッティングされる前に俺らが座っちゃったから向かい合わせの席になっちゃったのね.は~,風も涼しくて朝から気持ちいい♪

ホテルをチェックアウトし,駅へと向かう.山を下る途中に街を一望できるレイク・ビュー・ポイントがあるので,そこまでは歩いて行ってみる.お~昨日行った仏歯寺はあそこか~.

トゥクトゥクが通りかかったら捕まえようと駅方向へ歩き始めたが,なんと1台も通りかからず(汗).気が付けばトゥクトゥクに乗るには微妙な距離まで来てしまって,結局歩きで駅まで行くコトに.しかし時間にそんな余裕があるワケではなかったので,途中は走りながらなもんで朝から疲れる….とはいえ,お昼ご飯を買うのは忘れない!!

走った甲斐もあって,駅にはちょうどいい時間に到着.切符を買ってプラットフォームへと向かう.

今日はバドゥッラまで,7時間半の電車の旅.しかし目的はバドゥッラに行くコトではなく,アジアで一番美しいとの噂もあるこの区間の車窓を堪能するコト.今は亡きキャプテンも絶賛だった(笑).

電車は2等席と3等席があるが,3等席は木製のベンチみたいな席.こりゃー,固そう.これに7時間半は辛そうだ.我々の2等席は…,と一応クッションが入ってるみたい.良かったー.ちなみに7時間半乗っても,2等席でRs.270(¥200)というお安さ.

電車はほぼ定刻通りに出発.他の客も少なく,席も広々と使えそうで良かった.と思ってたら,10分も経たないうちに大勢の子供達が乗り込んで来てエラい賑やかに(汗).こっちをじーっと見てるんだけど話しかけると恥ずかしがって顔を隠す.シーギリヤからのバスで会った子供達と同じ反応なのが笑える.しかしこんな込んだ状態で7時間も乗るのはちょっとツラいぞ~.

すると子供達の目的地は近かったようで,10分程乗った駅で揃って降りて行く.助かった♪ま~,普通あんな子供の集団が長距離移動はしないよね.と,広くなった席でゆったりと座り直す.

しかしこの駅,停車時間長いな~と思って周りを見渡すと,あれれ??子供達どころか他に乗客が誰もいないぞ!?

何かトラブルか!?と心配になり,慌てて降りて近くの人に聞いてみる.すると「バドゥッラ行くならここで乗り換えだよ」と.勘弁してくれ~,Peradeniya Junction駅で乗り換えが必要なんて聞いてない!キャンディの時刻表にもガイドブックにもそんな話書いてなかったよ….

バドゥッラ行きの電車は10分位で来たが,すでに乗客がはみ出してる状態(汗).電車には乗れたものの,中もスゴい人で客車に入るコトも出来ずに連結部で棒立ち.切符の2等席や3等席って全く意味がないじゃん….

居場所がない人が食堂車にも入っちゃってる状態で,連結部ですらバックパック置く場所をキープするだけで精一杯.しかも連結部は扉が全開でなかなかスリリング.

乗り換えてから1時間,Nawalapitiya駅を過ぎてやっと座れた.これでようやく,車窓を堪能するコトができる.

この電車が走るのはセイロンティーの故郷というだけあって,窓の外には茶畑が広がる.と言っても茶畑はまるで放置されてるかのようで,スカスカで地肌が見えたり雑草が生えまくったり.そこまで見応えのある風景という感じではない.

お,車内販売がやって来た.売ってるのは,マンゴー♪と言うコトで1つ買ってみる.すると「これ,かけるか?」と怪しげな粉末を見せてくる.まー,こういうのは郷に入っては郷に従え.良く分からんがかけてみるしかない.マンゴーは熟れてておいし~.そして粉末はピリピリしょっぱスパイシー….なんでこんなのかけるんだろ….

ちなみにこのマンゴーはRs.50(¥35).ちゅーことでRs.100札を出しておつりにRs.50をもらう.それを見ていた前の席に座ってたおばさん,「あんた,いくら払ったの?」と.うん?値段が知りたいのかな~と思って「Rs.50だよ」と応えると,なんか周りの知り合いと騒ぎ始めた.どーした,どした?と思っていると,「あんたらは払い過ぎだ.今,取り戻してやる(多分,こんな感じ)」的な話になって,隣の車両に行ったマンゴー売りのおじさんを呼び戻して来た.

戻って来たマンゴー売りを,俺らをよそにおばさんと周りの人が責め立てる.どうやらおばさん達は,俺らがおつりを貰ったのが見えてなかったみたい.だから俺らがRs.100札をRs.50札と間違って払ったと思い,マンゴー売りにおつりを返してやれと文句を言ってくれてる(多分).と察したので「大丈夫,つりは貰った」とおばさんに言ったがイマイチ伝わらず(汗).最終的にいちゃもんをつけられたマンゴー売りがキレて,文字通りケンカ別れ….なんか,我々の為に,すいませんでしたね….

Ihara Watawala駅を過ぎた辺りから,少し綺麗な茶畑が見えるようになって来た.

Watagoda駅を過ぎると,茶畑も青々としてだいぶいい感じ.時間もちょうど12時を過ぎたコトだし,お昼ご飯にしよう.朝,キャンディの駅前で買った三角形のエラワル・ロティと&円筒状のインディ・アーッパ.ロティが激辛なのはいつものコト.しかしカリーでも入ってるのかな~と思ってたインディ・アーッパは,なんと甘いココナッツの味がするラワリヤというデザートだった.しかも味がイマイチ….

列車が進むにつれ,段々茶畑も綺麗になってきた.小山の頂上まで茶畑がピッチリしてる感じはとてもいい.すると停車した駅で,西洋人の観光客がゾロゾロと降りて行く.ここはNanu-Oya駅だから,皆ヌワラ・エリヤに行くっぽい.エッラやバドゥッラまで行く人はほとんどいないのか~.

Nanu-Oya駅を越えた後は茶畑がなくなり,しばし森の様な風景が続く.針葉樹のような木も増えてきた.

しかしIdalgashinna駅近辺では,急にアルプスのような山岳風景へと変わる.この辺りはスゴい綺麗な景色だな~♪

Haputale駅を過ぎると,茶畑がスゴい綺麗になって来た.茶摘みをする人も現れ,いっそう長閑な雰囲気が漂う.折角なので食堂車でキリテーを買って,茶畑を眺めながら一服♪うん,ウマい!

ところがDiaythaiawa駅に着いたとたん,突如の土砂降り(汗).車内まで入ってくる猛烈な勢いの雨に,たまらず窓を閉める.結構すぐに止んだが,山の天気のような急激な変化にちょっとビックリ.

そしていよいよ,この路線の中でもで一番美しいと言われているエッラ・バドゥッラ区間へと突入!!

すると10分もしないうちに,またも激しい土砂降り(泣).7時間かけてやってきた挙げ句にコレかよ…と,もう笑うしかない.こうなったら意地でも窓閉めないで見てやるからな!!と窓際で雨をかぶりながら見続ける.

車中,隣に座っていたおじさんから色々と情報収集.ヌワラ・エリヤのゴルフ場で働いてバドゥッラの自宅に帰る途中とのコト.「明日はバドゥッラから南海岸に行きたいんだけど良いビーチはないか?」と聞いてみると,ゴール手前のウナワトゥナという所を勧められた.ただしバスは乗り換えが大変で,唯一朝6:30発のゴール行きだけが一本で行けるのでそれに乗った方が良いと.こりゃ~,明日は思ったより朝が早い!

肝心の景色はというと,茶畑は完全に消え去りジャングルみたいになってきた.正直,この景色を見る為に7時間はないな….

キャンディを出発してから予定通りの7時間半,ようやくバドゥッラへと到着した.最後は尻窄みになってしまったが,茶畑が広がる車窓はまあまあ良かった.

バドゥッラは駅の周りこそ山の中の小さな街という感じだったが,街中に出るとそこそこ大きな街.通りは少々田舎っぽい街道だが,人通りもあって結構賑わってるな~.

ゴルフ場勤務のおじさんが街中まで連れてってやると引率してくれるので変なホテルを紹介されやしないかと不安だったが,街の中心街に着いた所で「ホテルはあっちの方だ.じゃあね!」と爽やかな別れ.いい人で良かった.

しかし田舎町だけあって,宿は多くない.ガイドブックに載ってても見付からない宿もあり,あまり迷うコトなくEagles Nestに決定.最低限の設備しかない宿で,1晩Rs.2,000(¥1,400).まー,こんなもんか.

さて,まだ16時半か….時間もあるし,ドゥンヒンダ滝でも見に行こうかな.バスで15分と近いみたいだし.

バスターミナルから乗ったバスは,難なく座れるぐらいの乗車率.ところが走り出すと次から次へと人が乗ってきて,気が付けば座ってても体が斜めになっちゃうぐらいの込み具合.これ…,降りられるのか…?と少し心配になる.しかしドゥンヒンダ滝に到着するとバスの切符売りや他の客が教えてくれ,かき分けながら無事降りるコトができた.たった15分しか乗ってないのに,スゴい疲労….

ドゥンヒンダ滝の入口はしっかりした門構えになっていて,予想外に立派.と思いきや,中に並ぶ土産物屋街は商品がほとんど陳列されていない廃墟状態(汗).時間のせいか,それとも季節のせいか….

しかし土産物を買いにきたワケではない!と土産物屋街を抜け,滝を目指す.わりと起伏のない道をズンドコ進むがなかなか着かない.そのうち道が上下し始めるが,段々日が暮れて来たぞ(汗)

歩き始めて20分,ようやく目の前に滝が拝める場所に到着.ドゥンヒンダ滝はお世辞にも綺麗な水とは言えないけど,思ったより大きくて迫力がある.滝口はそんなに水量があるようには見えないが,滝壺はなかなかのもんだ.本当は滝壺まで降りて行きたい所だが,もう18時前で暗くなってきた.街灯のない帰り道がちょっと心配なので,足早に引き返す.それでも帰り道は足下が見えないぐらいになってきて,入口まで戻ってきた頃にはもう真っ暗.危なかった~.

帰りのバスは行きと違って空いていたけど,仏像光りまくりの音楽なりまくり(笑).運転手の趣味だろうか…?

晩ご飯はアーッパが食べたかったので,店頭をチェックして置いてる店をチョイス.それにチキン・ビーフ・フィッシュとカリー三昧.お~,この店,カリーは冷たいけどどれもウマい!!当たりだ♪ただアーッパはパリパリでおいしいんだが,カリーのお供としてはちょっと物足りない.ゴーダンバ・ロティを追加してお腹いっぱい.

〆にキリテーも飲んで,満足,満足♪

食べ終わって外に出ると,真っ暗で電気もまばら.まだ19時なのに,夜は早い街だな~.

宿への帰宅途中に酒屋を発見!珍しく缶ビールが売っていたので買ってみると,キンキンに冷えていてちょーウマい♪残念ながらバーテンお勧めのDOUBLE DISTILLED ARRACKはなかったけど,小瓶のアラックも売っていたので土産用に1つ買っておこう~.

さぁ,明日は6時半のバスに乗りたいから早めに寝よう.しかし水シャワーを浴びたら,酔いも覚めて頭がスッキリしてきちゃった….